万福寺町内会

会長 中島 泰己 (当時)

 発足以来の半世紀で本会ほどその規模において大きく変貌した町内会は麻生区内にはないのではないでしょうか。
定かな記録は残っておりませんが万福寺町内会がスタートしたのは昭和30年前後といわれており僅か数十世帯の極めて小さな町内会でした。現在正確な記録として残っている昭和53年の会員名簿でもまだ僅か200世帯余りの町内会が、30年後の平成20年には加入世帯1,800の麻生区町連内でも五指に入る大きな組織になりました。
その直接の理由は平成13年に始まった『万福寺土地区画整理事業』にあります。この事業は小田急線新百合ヶ丘駅北側の山林約37ヘクタールを再開発しようとするものであり平成20年度に竣工しました。再開発された面積は当町内会区域の9割以上を占め、まさに新しい街が出現し景色も一変致しました。商業施設や大型マンションが続々と建てられ当然町内会加入世帯も一気に増加致しました。
新しい住民も加わったこの街に相応しい町内会活動のさらなる活性化を目指して、本年度の総会において組織の見直しを決定、活動の推進役となるべき総務、広報ならびに文化・活動の三委員会の新設を決定致しました。
『住みよい街づくり』を全員の共通テーマに、総務委員会は安全で暮らしやすい街づくりのための防犯・防災に繋がる諸活動を展開、広報委員会は町内会活動の活性化のためには全加入世帯に町内会の活動を知って頂くことが最重要と考え隔月発行の『町内会たより』を全戸配布、また文化・活動委員会は参画を通して町内会会員の連帯感の醸成を図るべく各種イベントを計画しております。
『自前の祭りを執り仕切れてこそ一人前の町』との当町内会相談役中島豪一氏からの檄をも受け、本年8月8日当町内会発足以来始めての盆踊り大会を開催致しました。役員全員が全く未経験の素人集団、さらに準備期間の短さの懸念もありましたが、当日は天候にも恵まれ約2,000名の参加者が暑い夏の一夕を楽しみました。子ども会は太鼓叩きで祭り気分を大いに盛り上げ、また焼きそばホットドッグに餅つきなど、役員総出での慣れぬ手つきの模擬店も、踊り終了前に完売という盛況ぶりでした。
前記『土地区画整理事業』は終了しましたが本事業により新たに造成された土地に現在も数件の大型マンションの建設が進められており、当町内会加入世帯の増加は今後も暫く続く見通しです。住民一体となった『安全で住みよい街づくり』における町内会の責任の重大さを改めて感じております。

(2009年11月号から)